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左上 「以前はこんな丸い石を使ってましたが、最近は角ばった石を使ってます」
右上 器に取っていただく。美野幸の石焼きは塩味で、具は真鯛とネギと岩ノリのみ。シンプルだけに真鯛のおいしさが際立つ。
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観光名所の一つ、入道崎にある「美野幸(みのこう)」は、予約なしでも石焼き料理を味わうことができる旅行者には嬉しいお店だ。ホテルなどでは数人分を大きな桶で一気に料理するが、「美野幸」ではそれぞれ1人前のかわいらしい桶で食べることができる。「1人で来ようとグループで来ようと、やはり自分だけの桶でゆっくり食べたいでしょう。だからうちの店では1人用の桶を特注。素材は秋田杉です」とご主人は言う。
ところで石焼き料理に欠かせない石は地元で「生き石」「金石(かないし)」とも呼ばれている火山岩の一種の「溶結凝灰岩」。内部にすき間がなく、硬くて割れにくいのが特徴だ。しかし、いくら金石といえども急激な温度の変化には耐えきれず、3回も使用すると割れてしまう。
かつてはどこの店でも男鹿の某海岸から、丸く形のいい石を拾い集めて使っていた。無尽蔵とも思われていた海岸の金石だが、最近は自然保護の観点から海岸の石を使わず、男鹿の山中にある砕石場から同じ種類の石を取り寄せている店もある。「うちの店でも最近は砕石場から金石を仕入れています。石が丸かろうが角ばっていようが、石焼きの味は変わりません。これから先もずっと石焼き料理を続けていきたいと思っていますから」と「美野幸」のご主人は言う。磯の金石はそのままの姿で残したい。これぞ、海岸線の美しい男鹿に住む人たちの未来への心配りだ。
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