ハタハタずし

米とこうじを加えてじっくり発酵させる
秋田ならではのハタハタ料理の逸品

ハタハタずし



 秋田県民が大好きな魚で県民魚にも選ばれている「ハタハタ」。今から40年ほど前までは、冬から春にかけて食卓に上る魚といえばほとんどハタハタだけという家庭も多かった。くる日もくる日もハタハタだけを食べ続けた秋田県民。なぜに、秋田の人間はこうもハタハタが好きなのだろう。
 その理由はさまざまあるが、第一の理由はとにかく安かったこと。県内の沿岸で一時期に大量に水揚げされるので、浜値も小売り価格もどんどん下がる。加えて、寒い時期に漁のピークを迎えるので、交通網が整備される以前でも、馬の背やソリで遠方まで運んでも腐る心配がなかった。だから、どんな山奥の集落へでもハタハタは十分に行き渡った。もし、ハタハタが真夏に水揚げされる魚だったら、沿岸部にしか流通せず県民魚にはなりえなかっただろう。
 白身で淡白な味だから保存や加工に適していたというのも、好まれた理由の一つだ。塩だけで漬ける「塩漬け」、塩と米ぬかで漬ける「ぬか漬け」、こうじなどで漬ける「こうじ漬け」、寒風にさらして作る「干物」などなど、その保存法は多い。これらを焼いたり煮たりして食べ続けるが、数あるハタハタ料理の中で、最も秋田らしいものといえば、やはり「ハタハタずし」だ。米の国、秋田にふさわしく、ご飯とこうじを使って漬け込む「ハタハタずし」こそは、ハタハタ料理の真打ち。ガッコ(漬け物)同様、漬け方は各家によってさまざまで、秋田県民にとってはおふくろの味ともいえる。
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