「樽は本来丸いものですけど、四角の方が使いやすいもんで、こんな形のものを作ってもらいました」と語る夏井さん。下 鮮やかな手付きでハタハタの頭を切り落とす。従業員は全員女性。



 男鹿市や天王町には、「ハタハタずし」を製造販売している数軒の加工業者があるが、男鹿市船川港双六の三高水産もその一つ。「加工業者でも造り方はそれぞれ特徴があります。うちの『はたはた寿し」』は昭和31年頃の男鹿市北浦地区の製法を参考にしています。というのも、北浦地区はハタハタ漁の本場で、県水産振興センターに当時の造り方の資料が残っていたから。実は、私は昭和31年生まれ。だから生まれた当時の製法にこだわっているというか…」と代表の夏井勝博さんは笑う。
 三高水産では、真水に漬けてしっかり血抜きしたハタハタを酢で締めて、ご飯、こうじ、カブ、ニンジン、酒、塩、酢、ショウガ、唐辛子などで漬け込む。「うちでは昔ながらの杉樽を使って漬けてますが、空気が適度に入るので発酵に欠かせない乳酸菌の入り具合がいいんです。もちろん、添加物等は一切使用していません。漬け込んでから約半月で出来上がりです」と夏井さん。
 業者や各家庭によって「ハタハタ寿し」、「すしハタハタ」と呼び方は異なるが、昔から秋田に伝わるハタハタの飯寿司であることにかわりはない。
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