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時おり雪が吹き付ける寒い中、漁師さんは黙々と網から魚を外し続ける。
「ほらー、スゴイ顔してるべー。んだども、これは実に味のいい魚だどー」
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「この網は水深50メートル前後にカレイを捕るどって仕掛けたもんだども、時々スゴエモンがかかってくる。普段は水深200メートル前後で捕れるらしいども、寒い今の時期は産卵で浅場に寄ってくるんだべな」。捕れる場所によって、黒っぽいものや赤いもの、オレンジ色のものもいると漁師さんは言う。
「食い方か? 俺たちだば、やっぱり刺身か味噌汁だな。味噌汁の場合、身は皮をむいて、ブツ切り。頭も肝も入れて煮れば、なんと本当にいいダシがでる。野菜はネギだけで充分だ。んだんだ、胃袋も入れる。胃袋はコチコチして、これまた旨めもんだよ」と漁師さん。
しかしスーパーや魚屋ではこの魚を見かけることはほとんどない。「この魚は、あまり捕れねんだよ。今日だって網にかかったのは5〜6匹。オコゼのように高値が付く魚でもねえし、数が揃わねば出荷はしねで家に持って帰って自分たちで食うからな」と漁師さん。漁協の担当者の話しでも、スゴエモンは以前からまとまった量が水揚げされることは少ないという。いわば、運のいい時に出会える幻の魚ということになる。
男鹿の旅館や民宿では、たまにこの魚が手に入った時は刺身や鍋、名物の石焼き料理で食べさせてくれるところもある。出会える確率の高いのはやはり冬期間だろう。
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