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ギバサ
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鮮やかな緑と磯の香りが春を告げる
秋田県民の大好きな海藻、ギバサ
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冷凍技術の進歩した現在はパック詰めがほぼ1年中店頭に並べられているギバサだが、今も昔も秋田の人間が最も好んで食べるのは、やはり2月から3月頃まで。かつて、蓄えていた野菜が残り少なくなる頃に出回ったギバサは、値段は安くて料理も簡単。野菜の代用品のような存在だった。熱湯をかけると茶褐色のギバサは鮮やかな緑色になり、包丁でトントンたたくと強烈に粘る。あとは好みに応じて、酢醤油などをかけて食べるだけ。久々に見る鮮やかな緑と微かな磯の香りは、食卓に春の気配を運んできたものだ。
ギバサの正式名称はホンダワラ科のアカモク。男鹿では波の荒い磯に自生しており、ハタハタが卵を産みつける海藻でもある。しかし、男鹿の漁師さんたちはなぜか目の前に大量にあるギバサを採ろうとしない。「誰があんなもの採るってよ」と馬鹿にするほどだ。理由は、その季節のギバサの粘り具合にある。とにかく秋田においてギバサは粘らなければならない。よく粘るギバサには、葉のところどころに「南蛮っこ」と呼ばれる細長い実のようなものが付いている。これが大きくたくさん付いている程よく粘るのだと業者はいう。
秋田県水産振興センターに聞くと、秋田沿岸のギバサ(アカモク)にこの「南蛮っこ」が付き、よく粘るようになるのは5月下旬から6月上旬にかけて。ところが秋田県人が好んで食べる2月から3月は、男鹿に限らず県内各地の磯に自生するギバサは粘らないというのだ。確かに、スーパーや魚屋に並ぶギバサには、三陸産、山形の飛島産、新潟産などで、秋田産と表示されたギバサは見かけることがない。
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