稲庭うどん

 細いながらも、しっかり腰のある食感
 江戸時代から伝わる、乾麺の逸品

稲庭うどん



 秋田の土産品としての人気の高さはもちろん、全国の有名百貨店でも扱われている稲庭うどん。その知名度は今や全国区といえる。
 資料などによると、稲庭うどんが誕生したのは、寛文5年(1665)のこと。現在ではほとんど栽培されていないが、当時、稲庭地区の隣の三梨地区は良質な小麦の産地として知られていた。この三梨産の小麦に加え、雄物川を船で運ばれてきた塩、そして栗駒山麓の清冽な伏流水。この3つが出会った稲庭の里で、稲庭(佐藤)吉左衛門が創り上げたのが稲庭うどん。しっかり乾燥した稲庭うどんは長期の保存も可能なので、贈答用には最適。さらに味わいは当時からうどんの傑作といわれ、秋田藩の御用を仰せつかったほど。その製法は稲庭の里に代々伝えられてきた。
 しかし、いくら産地といえども、地元の人たちにとっては高嶺の花。「戦前はもちろん、戦後しばらくまでは風邪をひいたり、病気になった時だけ特別に食べさせてもらえるというもの。普段食べるのは、茹でて売られている普通のうどんでした。稲庭うどんは、贈答用の高級うどんですから」と地元のお年寄りはいう。

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