下処理も大変だ。「我々は5人のグループだども、1日かかって集めた松皮を処理するのに最低4日はかかる。最初は固い皮などのゴミを取る。次に水洗い。その翌日、大鍋に重曹を入れて約1日煮続けるども、こうすれば黒っぽいアクが出る。翌日はそのアクを流して、真水で半日ほど煮る。それをナタの背や包丁で丹念にたたいて、やっと出来上がり。んだべ、手間がかかるもんだべ」と村上さんは笑う。
かつては処理済みの松皮は丸めて乾燥し、茅葺き屋根の天井に吊るしていたというが、現在は冷凍保存。「乾燥した松皮を使っていた時代だば、使うまえに水やお湯で戻してから使っていたから、今よりもっと手間がかかったもんだよ」
もちが半分ほどつきあがったところで解凍した松皮を入れ、つき上げる。「機械のそろった加工施設で作るようになったのはつい最近のこと。それ以前は自宅の近くで臼と杵を使ってペッタン、ペッタンやってたんだよ。でも今でもイベントなどがある時は、臼と杵でペッタン、ペッタンだな。そんな時は、もちろん男たちに頼むどもな」
村上さんたちの作った松皮もちの大福は3個で300円。鳥海地区の道の駅に隣接する農産物直売所「ほっといん鳥海」で販売されている。しかし、個数が限られているので、即完売になることが多いという。
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