「それに川の霧も影響しているんでねえべがな?」と高橋さんは推測する。奥羽山脈に源を発する横手川は村内の平地に沿って流れる。朝と夕方、気温と水温の差により横手川から霧が発生し周辺の畑に流れる。何日も雨が降らなくても、朝方にはいものこの葉の表面に小さな水玉ができているという。この適度な水分も味の良いいものこを育てる条件の一つに違いない。
年々評価の高まる「山内いものこ」だが、生産量はここ数年変わっていない。「農協からはもっと出荷するようにと言われるども、夫婦2人では今の面積が限度。いものこは掘ってから出荷までが手間だがらなあ」と高橋さんはため息をつく。
ところで秋田でいものこを使った料理といえば、やはり「いものこ汁」で、お隣り山形、宮城の「芋煮」に相当する。奥さんのキヨ子さんは村内でイベント等がある時には「いものこ汁」作りを依頼されるほどの料理上手。そのキヨ子さんに本場の「いものこ汁」の作り方をうかがった。
○鍋に水、鶏ガラ、いものこ、酒を入れて火にかける(鶏ガラのアクはよくすくう)。○いものこが充分に柔らかくなったら鶏がらを引き上げ、味噌を溶く。○鶏肉とマイタケなどのキノコを入れ、それぞれに火が通ったら出来上がり。一度、お試しあれ。
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