「俺はリンゴ農家の3代目。今から40年ほど前はリンゴの値段もよくてどの農家も一生懸命リンゴを栽培したもんだ。でも俺はいずれリンゴの値は下がると思い、リンゴに代わる果物の栽培を考え始めた。消費者のし好や果物の価格、鹿角市の気候などいろいろな条件からモモに目をつけた。それから各地のモモの産地を見て歩き、実際にモモの木を植えて栽培を始めたのは20数年前。教えてくれる人は誰もなし。たった1人で始めたんだ」と田中さんは当時のことを語る。
 「主な産地と出荷時期が重なるような果物では勝ち目はなし。全国で一番出荷が遅く競合相手がいないというのがポイントだな。もう一つが糖度の高さ。主産地の収穫は真夏の暑い盛りだから、気温の差が少ない。ところが鹿角では9月中旬が収穫のピークで、その頃は朝晩の気温差が大きくなる。だから甘みが乗る。初めて食べた人は凝縮されたような甘味にビックリするはずだ」
 鹿角市では特産のリンゴに加え、経営の安定を図る複合果樹として桃を栽培する農家が増えている。平成12年には栽培戸数52戸で栽培面積5ヘクタールだったものが、同16年には138戸、38ヘクタールまで拡大した。「北限のモモ」のブランドイメージはすっかり定着。収穫されたモモの一部は地元で直売もされているが、8割以上は京浜方面の市場に出荷されている。
取材協力、JAかづの 電話0186-23-2497
由右衛門果樹園 電話0186-23-3743


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