大館地方で山の芋の栽培が始まったのは30年ほど前で、米の転作作物として導入されたという。
富樫さんの畑のある大館市真中地区は米代川の堤防沿いにあり、沖積土壌が広がる。「これは上流から運ばれてきた肥えた土で、しかも水はけがいい。山の芋には最高の土壌です。山の芋の場合、土が軽いと芋も軽くなるといわれるほど、肥えた土が欠かせません。我々の会員は連作をせず、有機肥料をたっぷり与える。だから土の養分が凝縮された最高の品質の芋が採れるんです」と富樫さんは力説する。
5月初旬に種芋を植えて、収穫は10月下旬から始まる。「この芋は、子芋(種芋)が親芋を押し上げるようにして成長する。だから『子が親を持ち上げる』といって、地元では縁起のいい作物といわれてます」と同JAの担当者はいう。
収穫された山の芋の大半は関西市場に出荷され、主にお菓子の原料やすりおろしてお好み焼きやそばのつなぎとするほか、正月料理にも使われるという。「我々も、とろろままにして食べるのはもちろんですが、最近はすりおろして団子状にしたものを、キリタンポにいれて食べています。これはどんなに煮込んでも煮崩れないので、鍋料理にはいい。また、細長く切って海苔で巻いてから油で揚げてもおいしいですよ。滋養強壮に効果があるので、お年寄りにはどんどん食べて元気になってほしいですね」と富樫さんは大館産の山の芋のPRに一生懸命だ。
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