いぶりがっこ いぶりがっこ

 小屋で薪を焚いて干し上げる、独特の製法。
 秋田名物、煙の香りがする大根の漬物。

いぶりがっこ



 「同じ秋田県内でも、海沿いは風が強くて大根を外に吊るしててもいぐ(良く)干せるすべ。んだども、うちらの村のような内陸部では、風が弱いうえに、みぞれや雪の日が多いもんだがら、外では大根もいぐ干せね。だがら家の中。それもいぐ干せるように、囲炉裏の上に大根を吊るしたんだ。昔は茅葺き屋根で、囲炉裏では木を燃やしていだがら、その熱で大根の水分が蒸発し、煙で香りが付いたんだな」。こう説明してくれたのは、横手市山内土渕字土渕の高橋誠一さん(60)。
 高橋さんは旧山内村特産の「いものこ」も栽培しており、「いものこ」の取材でもお世話になった方だ(いものこの項参照)。「俺は山内名物の『いものこ』と『いぶりがっこ』の両方を作っているども、いぶりがっこの方が容易でねえなあ。大根引きは冷でし、重でし、それに泥だらけになる。それにいぶり小屋に入れば、体までいぶされてしまうしな」と高橋さんは笑う。
 時代とともに囲炉裏で暖をとるような茅葺き屋根の家は姿を消し、代わって大根の燻煙は屋外の専用の小屋で行われるようになってきた。今や旧山内村の「いぶりがっこ」作りは、すっかり秋の風物詩。季節になると、煙たなびくいぶり小屋の風景がテレビなどで紹介される。

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