三関のせりは昔は苗代の後地を利用して栽培したことから「苗代セリ」とも呼ばれていたという。苗代は土がよくこなれており、根はよく伸びる。「水が少なかったり、土が固ければ根はこんなにも長くは伸びねんすべな」と近藤さんはいう。現在、三関地区では約50軒の農家が「三関せり出荷組合」を結成し、JAを通じて主に県内各地に出荷している。
 「真冬の雪の中、冷めで泥の中から収穫するもんだがら、昔は容易でねがったそうです。ゴム長靴や手袋がなかった時代は、できるだけ泥の中に入らねように田んぼの上にはしごや木を渡して、その上に乗って収穫したそうです」
 雪の中の収穫風景は三関地区の冬の風物詩ともいわれていたが、最近は露地栽培に代わってハウス栽培が主流になっているという。「せりの上に雪が積もり過ぎれば、雪に押されてせりが変色してしまうし、ハウスの方が収穫も楽だしな。今だば露地栽培は全体の2割を切ったんでねえべがな」と近藤さんは言う。
 ハウス栽培といっても収穫前にビニールハウスを建てて雪から守るだけで、加温は一切なし。味や食感は露地ものとまったく変わらないという。冷たい泥の中から収穫したせりは自宅に持ち帰り、湧き水で丹念に洗わなければならない。ゴム長靴や手袋があるとはいえ、せりの収穫、出荷は大変な作業であることに変わりはない。
取材協力 JAこまち営農部営農振興課 電話0183-73-3131


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